出荷者紹介

柿山 勝成さん・賢治さん

石と魚の町、庵治町で建網漁と素潜り漁を営む柿山勝成さんと息子の賢治さん。
今回は建網漁に同行させていただきました。
柿山さんは九州の出身で、漁師だった父親の背中にあこがれて卒業後すぐ漁師を始めたそうです。5年ほど前から建網漁をはじめ、今は息子さんと一緒に操業しています。

建網漁は、海の中に網を立てるようにして設置します。
泳いでいる魚が網にかかるように、魚の通り道に設置したり、湾の入り口を大きくとり囲むように設置したりします。海底の状況や潮の流れなど、豊富な経験をもとに網を入れていきます。
瀬戸内海に突き出したようにある庵治半島周辺は、砂浜あり、岩場ありと建網漁にはまさにうってつけの好漁場となっています。

                   画像提供:香川県水産課

柿山さんは、屋島湾を中心に網を入れており、今回は秋から冬にかけて美味しくなるコノシロを狙っています。コノシロは、夏から秋頃に獲れる10cm程度のものは「コハダ」と呼ばれ江戸前の寿司ネタとして需要が高く高級魚とされています。しかし「魚」に「冬」で「鮗(このしろ)」という漢字のとおり冬を代表する魚です。

今日入れている網は50mほどの長さで、コノシロは日の出頃、日の入り頃に群れになっているため、まだうす暗い朝5時半から出航して網を投入します。大量にかかると、網から外すのが大変ですが、20cmを越えるコノシロを2人で手際よく次々と外していました。

「大きいコノシロは、小骨が固くて骨切りが必要なため敬遠されがちだが、料理を工夫すれば脂ものってとてもおいしい魚なので、もっと食べてほしい」と語ってくれました。

「家にいるよりも、船に乗って海に出ているほうが落ち着く」と根っからの漁師気質の柿山さんですが、若い漁師には「今は漁師も大変な時期だけど、どんどん新しいことにチャレンジしてほしい」とハッパをかけます。
そんな父の後押しもあり、父と一緒に素潜りと建網漁をしている賢治さんは、今年から新たにたこつぼなわ漁に取組みます。

コノシロの食べ方については、以前紹介しました漁師ユーチューバー「はまゆう」こと濱田祐輔さんのチャンネルでも紹介されています。
【小豆島の漁師はまゆう】