高松市中央卸売市場に隣接している高松漁港を拠点とする、高松市瀬戸内漁業協同組合に所属している湊谷義則さん。
漁船漁業のなかでも県内で一番多い底曳網漁業を営んでいます。
父親も底曳網漁業を営んでいて、父親が舟を降りるまでは親子一緒に沖で操業していました。その後父親の船を引き継いで今も操業を続けています。
今回は、普段の操業に合わせて取材許可をいただき同行乗船しました。
底曳網漁業は、大きな袋状になった網の両端を船で引っ張って魚を獲る漁法です。
網を曳いている場所にいる魚介類は網目より小さいものを除けば全部獲れるため、一度の網入れで多数の魚を獲ることができます。その反面、海底のゴミや海藻、石、ヘドロも一緒に載ってきます。
— 底曳網漁で苦労することは?
操業を始めた頃は二人で行っていたが、今は漁具などが進歩して一人での操業が可能になり一人乗りが増えている。海の上での作業は危険を伴うので、常に緊張感をもって作業を行わなければ命を落とす危険と背中合わせである。
また、常に海の中は変化しているので、ベテランとはいっても、常に獲れるわけではなく、トライ・アンド・エラーを繰り返しながら操業している。
— 底曳網で獲れる魚で、この時期はこの魚というお勧めがあれば。
今の夏の時期であれば、やはりマダコ。そしてベラ(キュウセン)です。
秋には冬にかけて美味しくなるマダイ、チヌ。冬にはイイダコ、ゲタ(シタビラメ)、カレイなどが多く獲れるのでお勧めです。
— 若手の漁師にむけて
今は新型コロナウイルスの影響で、魚も安くて大変な状況ではあるが、今が最悪と思って数年ガマンができればまた回復していくと思う。これを機に引退や転職をする人の話も聞こえてくるが、コロナが終息したら状況もよくなると思いたい。私が始めた頃は魚を獲ることだけだったが、今はそれだけでは生き残れないほど時代が変わってきているので魚を獲るだけではなく、色んな事にチャレンジしていって欲しい。